怪獣殿下 伝説の原型師、再進撃ス レビュー④
という訳で、続き!
原氏は現在、新聞紙を用いての怪獣造型を行っている。
↑新聞紙で造られた原寸サイズの怪獣群。素晴らしいレッドキングである。
リアルホビーのレッドキングとはまるで違う面構成になっていることにも注目。
左は新ゴジであろう。これまた、これまでの、どの原新ゴジとも違う。
今回の番組のメインも、新聞紙を用いての「ゴジラ」作りである。
そもそも初代ゴジラ2号の芯(新聞紙と針金で造られたもの)をみてインスピレーションを受けたとのことである。
何年前からこの新聞紙での造型作業に切り替えたのかは明言されていない。
「こうやってね、ぎゅ~っと押し込んでく。もうできたようなもんや」
ボール紙を芯にし、新聞紙で肉付けをおこない、ゴジラを作ってゆく。
頭部のアウトラインを作り、眉部を取り付け、目玉の位置をキメてゆく。
……この番組、意図しているかは別として、実は最大の功績は「ゴジラづくりの造型テクスト」となるこの一連のシーンではないだろうか。
少なくとも世に出回っている造型本を読むより、「感覚的に」、肉付けの流れが「理解」できるぞ。
貴方は新聞紙を粘土なり、スカルピーなりに置き換えればよい。
逆ゴジ頭部制作風景。ビリケン逆ゴジが参考として置かれている。
その横には、2000年代初頭に出た「トイズドリームプロジェクト」の逆ゴジも視える。
今回の制作にあたって描かれたであろう、設計図、二態。
リアルホビー説明書に付属の初代ゴジラとタッチが全く同じであることに、思わず笑みがこぼれた。
原氏のタッチ全開である。
不思議なのは、この2枚の時点で既にイメージモティーフに齟齬があるという点だ。
一方は明確に写真を基にした逆ゴジであり、もう一方は完全に初代~逆襲までのイメージモデルである。
「S29ゴジラ1954~H.ゴジラVSデストロイア1995 利光イメージとしたゴジラ‼」
とのメモ書きがあることから、下記図案はイメージモデルとみて間違いないだろう。
そして、このゴジラは更に変化(進化)してゆく。
つづく