浅井造型 パゴス‼
●浅井パゴス爆誕
浅井造型パゴスがついに発表。
原型途中までは見ていたが、その後引っ越し作業で忙しくなり、遊びに行けなくなって、早、ひと月。
できてた。
そうだよ!これがパゴスだよ!……という一言で終わりであるが、性分で解析していきたいので読みたい人は付き合ってくださいまっせ~。
●浅井造型が一貫してやってきたこと
浅井造型が逆ゴジ&アンギラス時期以来……つまりほぼデビュー以来一貫してやってきたことって、「怪獣の可視化」だと思ってます。
ギドラだって劇中あれだけ俺たちは視ているはずで、でも実際「宇宙超怪獣襲来」で俺たちはひっくり返ったし……最近のわかりやすい例でいうとシン・ゴジラの乱杭歯表現ですか。
↑誰もが知ってることを「理解」させる圧倒的説得力の一例
視ているようで、やっぱり見ていたものを、目の前に「こうやろ」と突き付けられて、魅せてくれるっていうのかな。そゆことじゃん。
●パゴスはバラゴンではないということ
ギドラにも同じことが言えると思うんですけど、パゴスって怪獣も、イメージが実像を歪めている系なんですよね。
いや……ギドラ以上に凶悪かもしれないなぁ。
なまじ「パゴス頭部+バラゴンボディ」という「理論」が構築されているだけに。
だから、あれだけ有名な写真群があっても、認識ができていない。
「理論がフォーマットになってしまっている」というのがパゴスの難しいところなんじゃないですかね。
怪獣ファンなら、誰もが知っている超有名スチールの超有名体型。
今回、あの肉襦袢でパンパンに膨れ上がったパゴスを俺たちに理解らせてくれたって感じですよ。※1
●龍が如く
昇り龍がごとく造型された頭部の「折れ」表現!
この、肉襦袢を背負っている感!!
腰部の「曲げ(タメではないのもポイント)」から卵型のボディを通って上昇してゆく龍のようなラインが非常に美しい。※2
腰部を後ろから!エロ気すら感じられるくらいにパンパンに張ったこのボディラインを足で緩めることで、首部「折れ」に視点を集中。
↑張りつめたボディと首表現のコントラストこそがこのテンションを生む。
本来この角度って、立ちパゴスとしては一番弱い筈で、そこを寧ろ強みに変えているのが後頭部の切れのライン。
これがボディに流れ、ボディの張りつめたテンションを非常に効果的に「演出」していることに注目。
こ、これには驚いた……。※3
ご子息を撮った写真を貰ったときに、たまたまロングレンジからこのパゴスの右側面が映りこんでて、それがまたカッコえーのよ!
このライン、遠くから見ても美しいんだわ!
僕は手に入らないので、是非皆さん確認してみてください(笑)。※4
●「ウルトラQ」の精神性と「浅井造型」の精神性
俺、昭和のある時期までの怪獣っていわゆる「お化けもの」の親戚だと思ってるんですよ。
造型してる人達も(お)ばけもん として造っている気がします。
ただ、ある程度「怪獣」というキャラクターが確立されるにつれて、そのバランスは変わってきてて、モスゴジくらいからは「ゴジラ」というキャラクター性が前面に出るし、円谷でも「マン」あたりからはキャラクター性が素晴らしく洗練されていく。
その意味合いでいうなら、昭和の初期東宝怪獣や怪奇ドラマである「ウルトラQ」なんかは「お化けもの」の空気を凄く感じますね。
メモに「また来たぺギラ」とかさ、これ、怪談の文章じゃないですか。
浅井造型の精神性をツラツラ書くのは今更でしょうし……、そういや顔を造りながらこんなこと言ってたな。
「竹添、見てみ、この写真。まさに『口が耳まで裂けて~♪』やな」
精神性を理解ってる人なんだなぁ……て思いましたよ。俺みたいに理屈じゃなくて直感で。
※1 正面から視たらせり出すほどに身体が膨れ上がっていることをDVDで改めて確認。なるほど、確かに「パゴストータス」なわけだ……。
※2 今風の平成造型や、首が前に流れる造型の場合、腰のタメは非常に有効であるが、このパゴスの場合、上に流れる昇り龍なのがポイントなので、腰をタメるとそこでラインとテンションが分断されてしまう、というワケ。
※3 浅井造型がパゴスをヤルならこの首「折れ」に焦点を当ててくることは予想できたが、その場合、この右側面が「無茶苦茶難しくなる」わけで、それがすっっっごく気がかりだったんすよ。
失礼ながらも、「殿、これ一歩間違えたらDJしてるポーズになりますよ」なんて言ってた。
「パゴスの特性である肉襦袢に押し出された手」として「力が抜けた」ラインを作っていやがる……。こんな勇気ある演出が為されていることにも注目したい。スゲェ、な……。
疑ってゴメンナサイ。
※4 毎度書いてて嫌になってくるんだけど、どないなってんだよコレ。