冬の大特集 森山直哉の世界 ②
い~まは~この~よの~
猫族です。
やっぱ反響大きい!
森山直哉氏大特集2回目は超絶改造編!
だったはずですが……ごめんなさい!
その前に、これだけは紹介させてくれよな!
強烈に印象に残っているんで、どうしても入れたいんですよ!
●キンゴジ モスゴジ
HJ90年6月号「怪獣大行進」特集
原型 井上雅夫 パラダイス ソフビキット
90年6月号では怪獣ガレージが大々的に特集され、円谷、東宝双方のキット群が誌面を飾った。
高垣氏の傑作「ギエロン星獣」をはじめ、各社のキットが誌面狭しと暴れている(但し、表紙はパトレイバー)。
また、もこもこ藤田氏の"リモコン”ビリケンキンゴジなど、いまだに忘れられない、遊び心にあふれた作例群が目白押しの、怪獣ガレージフリーク必読の号であった。
特集最後に(当時の)現行ゴジラキットカタログが掲載。
その中でもひときわ目立つのが、森山氏の塗装によるこの2体であった(厳密には次頁にビリケンキンゴジも掲載されている)。
この時期のHJ誌の怪獣模型作例の撮影は、森山氏が徹底的に監修していた筈であり、怪獣好きによる怪獣模型の撮影が堪能できる。
兎にも角にも、この作例の最大の魅力は、
井上新モスゴジを、このアングルで視る新鮮さ!であろう。
以下は、私の勝手な仮説である。
このソフビ版モスゴジの場合、イノウエアーツのレジン版広告で多用された角度……つまり左側面をメインで見せるアングルで撮ると、ソフビ化収縮の際のボディバランスの崩れが目立ってしまい、非常に「弱い」。
↑参考用 パラダイスソフビ版新モスゴジ
ボディの収縮により左からが弱い。※1
故に、このモスゴジの持つ「前方向へのテンション」を最大限生かせるアングルで撮影しているのだと思われる。
このソフビ版を組み、(直感的、あるいは論理的にせよ)ソフビ版のバランスと、その弱点を完全に理解していないと、このアングルでの掲載はないのではないか。
グレー系統に振った色味の〆方も、この角度に合う…としか言いようがなく、傑作塗装作例である。
写真から受けるテイストは、井上氏の世界観とは完全に異なるが「パラダイスソフビ版」モスゴジは、この角度が写真としての「正解」なのだ。
当時の自分を振り返ってみると、メーカー広告では不明瞭であったパラダイス版モスゴジの全体像の把握にもなり、大好きなモスゴジ作例のひとつであった。※2
●ビオゴジ
HJ90年6月号「怪獣大行進」特集
原型 ビルドアップ(大石 透) 海洋堂 ソフビキット
この作例写真もまた素晴らしく、このキットをこれ以上に格好良く写した写真を知らない。
艶を徹底的に落とした森山氏の作例は、ソフビキットであることを忘れそうになる。森山氏ならではのブルーグレー系着色が非常に効果的である。
あと、この作例は、もうね、このイラストですよ(笑)。
↑ これなら「できる!」と思えますなぁ。
皆、真似しましたよね。
このビオゴジキットに関しては「この改造込みがスタンダード」だと思うが、とりわけ森山氏の作例による印象が強いのは、確実にこのイラストのせいなわけで(笑)。
これは改造方法というよりは「ディティールアップ技法」であり、このような細やかな配慮も氏の作例記事を読む楽しさであった。
あぁ、結局改造編にいけなかった。次こそは(笑)
つづくぞ!
※1 「造形怪物怪獣大全集」より引用。同誌においても、(パラダイスソフビ版は)ボディラインに「突っ立った印象を~」との記述がある。
※2 当時のパラダイス、並びにアンテナショップである「ほびっと」広告より参考画像。
一貫してこの上半身の写真のみが使われ、全身画像は、ほぼ見たことがない。
有名レジンキットのソフビ化という前提での宣伝だと思われるが、89年冬からガレージに入った身としては、若干不親切だなぁ、と思ってしまっていた。