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ガレージキット・カタログ87(あるいはイヌクマズバット談義)

少し回復!猫族です。

前回のワンフェスで、「参考に使ってください」とプレゼントして頂きました!

●●様、ありがとうございます!

という訳で紹介させていただきます!

「模型情報増刊 ガレージキットカタログ」

これ、ナニゲにすげぇレア本です。

あの時、ちょうどウチのブースには、この道ウン十年の先輩方が集まってくださっていたのですが(いっつもだいたいそうだな、ウチ…(^^;))。

「初めて見た」「知らないな…これは…」とのお声ばかり。

加えて、人間ガレージキットデータベースのデリシャスレインボウぐっちゃんも、更には、HJ誌元編集長I氏まで!

皆、知らない!!すごい…

●いきなりイヌクマズバット

いきなりビックリ。俺、この商品のカラーカット、HJ誌の新作紹介以外で初めて見たわ。※1

しかもこんなに大きく…。

この商品のファンとしては非常に嬉しいものがある。

このズバットはいまや壮大なシリーズとなったメディコムRAHの原点の原点みたいなモデルです。※2

発売後、すぐに絶版になったようで、93、4年頃には、プレミアム価格で販売しているショップが多々あった。

「宇宙船誌」連載でも東映ヒーローや洋画ヒーローの1/6アクションモデルは頻繁に取り上げられていたが、あくまで素体を紙粘土、表面を布で再現したものであった。

一方、こちらはいわば1/6のスーツ再現モデル。これは、一品モノとガレージキットの関係に近いですね。

ま、一言でいうなら、変身サイボーグのリアル版。コンバットジョーが当時割と手に入りやすかったという背景もあるでしょう。

メディコムRAHは、イヌクマ版ではシール再現であった耳アンテナ基部が塗装されていたが、それ以外の原型は同じものと思われる。「先を行っていた」だけではなく、造型的にも素晴らしいモデルだったのだ。

コンセプトも含め、これ以上のズバットモデルはないだろう。

●被りまくり新製品コーナー

コレ、奥付見たらHJ誌のソフビ特集号(87年8月号)と発行日まで一緒なのよ(^^;

新製品や、取り上げられているキットが被る被る(笑)

このスケバン刑事シリーズのサンプルモデルは素材感も含め、素晴らしい。

惜しむべくは、商品化の際にかなり劣化してしまった事。このクオリティを維持できれば素晴らしいシリーズだったと思うのだが。

Bクラブ商品の為、HJ誌より少し大きく主張しておりますが、全面フィーチャーしているわけでも、表紙に持ってきているわけでもない。

その意味でも、ちゃんとガレージキット・カタログしているのだ。

●怪獣コーナーも充実

この時期、どこかで見た写真がカラーで勢ぞろいである。

なかなかに壮観。

ガレージシーンは怪獣から始まったことをちゃんと伝えているのも良いですね。

あ、この写真は珍しいわ。

モノクロ画像はゼネプロ広告でよく見たが、この角度、カラーは初見。

バルガメだったのね、このモデル。

ゼネプロメタルモデルの鮮明な写真って83年の初代ゴジラの昔から、各誌作例くらいしかなく、貴重なカットだ。

●とにかく84ソフビ

で、ソフビHOWTO定番中の定番キット。

海洋堂原84ゴジラが勿論掲載です。

なんで皆これを使いたがるんだろうってくらいよく見ますな(笑)

洗って茹でて、瞬着で…と我々ガレージファンが数え切れぬほどに繰り返してきたこの作業も、さらっと解説されています。

●時代は変わる

なんつーか…レイアウトや色合いが、HJ誌ソフビ特集号とそっくりなんスよ、これ。 HJ誌を参考にしたのでは、と邪推したのですが、奥付は同じ日。

まぁ、奥付ってあんま当てになりませんけどね。

時代の色合いなのかもしれません。

1987年夏。人々は溶けかかったアスファルトに己が足跡を刻印しつつ歩いていた…ひどく暑い…ではなくて。

ソフビキットが流通しだしたころなんですよね、ちょうどこの夏の時期って。

ガレージキットという新興勢力が、新たな素材とそれに伴う流通形態を手に入れて、マーケットの規模が少し広がった時期。

そこにこの増刊刊行の意味があるのかもしれません。

ソフビという武器を手に入れたガレージ業界は、これ以降(その本質さえも)大きく変容してゆくことになるのですが、それはまた別のお話。

まさに、時代の変換点に出た貴重な一冊といえるでしょう。

資料ご提供、本当にありがとうございました!!

※1 参考画像 HJ誌87年6月号より。

ズバッ子は未発売である。ちなみにこのカットでも装着している、平手タイプのハンドパーツは商品には未付属。

商品版には、ズバットが大見得を切るときの、人差し指と中指が伸びたタイプのハンドが付いている。

平手的なハンドパーツは、メディコムRAH時に初めて付属したんじゃなかったかな。多分。

※2

間に「(旧)タイムハウスのHPS」というガレージキット スピリッツ溢れる素晴らしいシリーズを挟み、その後アクションフィギュアブームのどさくさに紛れて、メディコムトイによって一般普及、大衆化、フィギュア化されたのがRAHシリーズって印象。

とはいえ、イヌクマでは未発売に終わったハカイダーをイヌクマ版として突然発売したりと、リスペクト精神も伺える。

どうせならイヌクマ版旧1号も発売してもらいたかった。そうすれば、初期カタログ写真の3体が揃う(笑)。 さらに余談だが、RAHは合皮素材でスーツを再現しており、その質感は実に素晴らしいものであった。感動したもん、俺。

…が合皮ゆえの宿命、数年経つと、崩壊してしまう。

結局、このジャージ素材のイヌクマ版が最も優れた「商品」であったという事実に涙が出る思いでござる。

怪獣ガレージキット

ヒストリー

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