あなたの知らない84ゴジラ造型の世界 第2夜
おーばけーだぞ~!!
猫族です。
お待たせしました。血も凍る夏の納涼企画!第2夜!
前回分、かなりご好評いただきましてですね。
アップした翌日に新事実判明!なんてこともあったのですが、それはまたのちの特集で。
今回お送りするのは…84のラジコンゴジラ。
え?そんなん出てたんか!?もちろんワンオフです。
●完全可動5chラジオコントロール・メカニカル"ゴジラ” フルスクラッチ1/144 鶴岡氏製作
モデルアート誌 1985年10月号
東京マルイに先駆けること8年!!
ソフビ怪獣、鉄人ラジコンシリーズ(東京モンジャ倶楽部・個人製作)に先駆けることおよそ3年くらい!※1
これ、もしかすると世界初の完全独立可動ラジコンゴジラじゃないか!?
↑ イカレた高スペックを誇るラジコン84。すげぇ。
歩行、腕の連動、咆哮はアタリマエ。目が左右に可動、まぶた開閉、口の開閉…
に加え、なんと指の開閉、という正気の沙汰とは思えない超・高スペック。ギミック数でいうと、実物スーツよりすごい。
最終的には胸の呼吸運動まで追加。サイボットゴジラのギミックも入ってます(笑)。
なんちゅうもんを作ったんだ。
お腹が少しビール腹なのと手足の長さが気になるが、この作品に対しては、そんな指摘は野暮だろう。存在が凄い。
↑ プラモハイテクニック講座て…。ハイテクニックすぎて誰も真似できんよ(笑)
内蔵メカがよくわかる。両脚、尻尾の三点設置なのは後々発売されるラジコン&リモコンモデルと同じ。
5chラジコンを各部可動に割り振り、残った1chを「指を動かすことにしました」ってサラっと書いてあります。指はシリコンチューブ可動。
ダイモス中井氏のギドラの首可動と、基本的には同じ構造という訳か…。
この顔角度、2号スーツを参考にしてますね。というか、80年代にこの眉間~鼻筋を再現できてる数少ないモデルかも。 カラー写真2枚目を見てもらうとお解りいただけるように、斜めヨコから視ると、瞬間的に丸みが出る鼻筋もちゃんと再現してる。
このように、造型的にも視るべき点は多々あるのです。
実は、このラジコンゴジラの存在、知ったのは今年なんですよ。
とある事情で、MG誌のバックナンバーを探していた時に偶然発見。
昔のモデルアートって、今一つあか抜けない紙面デザインとか、あと「基本スケールモデルオンリー」なイメージがあり、古書店でもチェックが疎かになっていたのですが、たまにこういう核弾頭をぶっこんでくるのが凄いところ。※2
コレ、前回の生頼ゴジラ以上に、ガレージとは離れたところにあるモデルかもしれません。
しかしこれだけの大作、かつモティーフが84でラジコン、こんなの紹介しないとウソになりますよ。という事で無理やり組み入れてみました。
「あなたの知らない84ゴジラ造型の世界」はまだまだ続きます。
第3夜「呪いのビデオ編」に乞うご期待!!
なんだそのサブタイトルは!(笑)
※1 88年~90年ころの「宇宙船」誌やHJ誌で頻繁に紹介されていた、バンダイ、ビリケンの怪獣ソフビ、ボークス鉄人ソフビにラジコンを組み込んだシリーズ。HJ本誌でもゴメスが内部構造込みで紹介されていた。思い入れのあるシリーズなので、いずれ改めて記事にしたいと思う。
※2 80年代前半のモデルアート誌には、他にも怪獣ガレージを扱った号がある。めずらしい作例写真もあるので、こちらも改めて紹介したい。