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冬の大特集 森山直哉の世界 ③

部屋が段ボールでいっぱい!

猫族です。

さてさて、ようやく改造記事に移ります!

一発目はコレ。

THE DUEL―決闘 より

●ガメラ

HJ95年5月号「ガメラ大怪獣空中決戦」特集

バンダイ ソフトビニールTOY

一見してわかるのが、重心の置き方の素晴らしさである。

腰と肩をグッとタメている事がお分かりいただけると思う。

平成ガメラモデルで、このタメを表現できている造形物は殆どない。

真横からのわかりやすい角度ならいざ知らず、この前方向からの写真からも腰から肩、そして気持ち食いしばった口元への美しい流れが見えてくる。

 ↑この後頭部の角度!大怪獣空中決戦の「映り方」を完全に再現している。

ジオラマ全景。

この後頭部角度、前傾姿勢の美しさに注目

上半身だけでも、作品全体の重心バランスがどのように流れているのかが解る。

↑ 真っ白じゃねーか!しかし、ここで視るべきは下半身。

改造途中写真。

「最初に決めたのは、必要最低限の工作で納めるということ」と言いながら、もはや上半身は、この状態になっている(笑) 。

↑改造元であるバンダイTOY 到底同じものとは思えませんな。

寧ろ、恐ろしいのは「ほぼパテ盛りを行っていない」下半身であり、最小限の角度変更で、この重心の最適化を行っていることになる。

平成怪獣に関しては明るくないため、実際のスーツ云々のコメントは控えるが、森山氏の改造作例怪獣は、「造型物としての美しい流れ」を持つ

これは、89年HJEXの大改造「新ゴジ」から一貫して、氏の改造作例における特徴であり、それはこのようなポーズ改造作例だけにとどまらない。

●付記 ホビージャパン1995年5月号の「異常性」

この作例に触れた以上、この号の「異常性」自体も取りあげねば嘘になるので、簡単に捕捉する。

長いHJ誌の歴史の中でも、最も高いカロリーを持った特集のひとつと言っても過言ではない。

こんな宣言から始まる模型誌は、この先にも後にも、みたことがない……。

森山氏が司会進行し、記事として纏めあげた、豪華メンバー対談まで掲載されている。

とにかく、溢れ出る情熱に圧倒される号であり、クリエイティブなことを趣味に、あるいは仕事にしている方は、是非とも入手し、読んでいただきたい。きっとこの号には、モノづくりの本質に通ずるものがあると思うから。

更なる付記

今回、森山氏の改造作例記事への「入り口」として、あえて自身が明るくない平成ガメラの作例をチョイスした。

自身、最も思い入れのある作例である89年EXの新ゴジとどちらでいくか、先ほどまで迷っていたのだが……。平成ガメラに決めた理由を以下に記す。

・そもそも、森山作例におけるもっとも特徴的かつ、素晴らしいポイントである「重心バランスの最適化」。これは特集記事の最初に、絶対に明確にしておくべきだと考えていた。

・それは、私が明るくない「平成ガメラ」で行う方が、寧ろ理解していただきやすいのではないか(新ゴジ作例の場合、私自身の主観、思い入れが強くなりすぎ、記事全体のバランスまで侵食する恐れがある)という判断。

以上の2点である。

よって思い入れ全開、俺の頭も全壊の新ゴジは次回以降だ!

俺の頭も、1Q84!

怪獣ガレージキット

ヒストリー

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