トビー・ダンカンのデスザウラー 10年①
古くから読んでくださっている方なら、覚えておられるかもしれないが…10年前、怪獣以外のことをブログで綴った。
たまたまネットで「ある作品」を視たことで、いてもたってもいられなくなったから…という理由で。
トビー・ダンカンのデスザウラー。
僕らの世代には、ある種「特別な」機体だ。
作者であるリュカイナ氏の手によって、完全に再現された、その作例を視た時のショックはいまだに色あせない。
「再現」というのはこういう事だ、と。
それまで持っていた狭量な価値観を、根底からひっくり返されたような衝撃を受けた。
怪獣ガレージに置き換えれば、井上氏の初期巨大作品や、浅井氏の宇宙超怪獣を「皆さんが初めて観たときの」ショックに近いと言えば、ある程度お解りいただけるかもしれない。
かつてのブログを、久々に読み返してみた。
けして上手くはないが、(自分でいうのもなんだが)情熱に溢れた文章だと思う。
文章はいまだに上手くなれないが、それはいい。物書きの友人に、「ずっと好きでいることの難しさと、『強さ』を思い知らされた」と言われた時の喜びは忘れられない。
あくまで私見ではあっても、熱意や感動を文章化することや、「何故これが素晴らしいのかを説明すること」で、解ってくださる方もいる、伝わることもあるということ…それを実感できた。
現在もガレージキットの思い出や、レビューのようなものを書き続けているのだが、その契機となったのはおそらくこの文章だった。※
作者のリュカイナ氏とは、その後もお付き合いをさせて頂いている。
10年前に感想文を書いただけで、かつ「僕も作りますよ!」と言いながら未だ頭部も完成していない私のような人間に、いまだにイベントのお誘いや、会場で気さくに声をかけてくださるリュカイナ氏。
氏のそんな丁寧で、誠実な人柄に惹かれているところも大きい。
そう。誠実さ。
今日は(いつもとは少し趣は違うが)誠実さの話をしようと思う。
※ かなり恥ずかしいが、参考までに、過去記事をあげておく。